RubyKaigi 2025に参加し終えました! Day 3

こんにちは、エクストーンでバックエンドエンジニアをしている諸岡です。 今回は2025/04/16 から 2025/04/18まで開催されていた、RubyKaigi2025の体験レポートをお届けします。

1日目と2日目は一緒に参加した他のエンジニアメンバーが記事を書いているので、私は3日目にフォーカスして書かせていただきます。

design-tech.xtone.co.jp

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会場

RubyKaigiは地方で行うことが多いのですが、今回の会場は愛媛県の県民文化会館でした。

外観はこんな感じ

県民文化会館1

県民文化会館2

お昼前になるとキッチンカーが複数台現れます。みかんジュースやじゃこ天、鯛めしなどの愛媛の名産や、豚丼、カレーといった定番料理が提供されていました。全て行けませんでしたがどれも美味しく、無料で提供されていました。

会場内では複数種類のお弁当も配られていて、そちらもとても美味しかったです。

会場内の雰囲気

中に入るといきなりスポンサー企業のブースが所狭しと並びます。 ブースごとに様々な催しやグッズが用意されていてとても楽しかったです。

休憩時間にはブース周りがかなり混雑して、盛況しているなあと感じました。(小並感)

休憩時間の会場内の様子

二日目から各ブースでスタンプラリーが行われるようになり、スタンプを集めるという目的で他のブースを回るのがとても楽しいです。

各ブースでは、スポンサーの企業さんたちの凝ったミニイベントや製品のデモが行われています。私は全て回ってできるだけクイズ等に参加させていただいたので、三日目でようやくスタンプを揃えることができました!Xを見ると初日ですでに揃えている方もいたようです。速すぎる、、、

セッションも大勢の参加者で賑わっていました。 PCを膝上においてメモを取る姿があちこちで見られるのはいつものことですね。

セッションの様子

最後のセッションで今回の参加者数を公表していましたが、1518人ものRubyistが今回の会議に参加されていたようです。

セッションの感想

この章は私が参加したセッションの感想です。セッション全てがかなりレベルが高くきちんと理解できたか怪しいですが、参加したセッションの感想を書いていこうと思います。 3セッション並列で進行するのでどうしても選択する必要が出てくるのが、贅沢で嬉しくもあり残念なところでもあります。  

Ruby Committers and the World

Rubyのコミッター全員がステージの上に集合してみんなの前で公開会議をするセッションになります。 下記の議題について、コミッター同士がバチバチに議論を交わしていてとても興味深かったです!

  • static barrier
  • What do you think about the namespace proposal?
  • For ruby4.0, what do you want to deprecate?
  • What part of ruby would you change if you didn't need to consider backwords compatibility?
  • Do you use AI to help write ruby? Are any parts of ruby already writen by AI?
  • SHARABLE_MIDDLE_SUBSTRING optimization: Is it worth finishing & enabling?

高度な話の合間に笑いが起きて、参加者・聞いている方たちのレベルの高さも伺えました。私は話についていくのがやっとでしたので、いつか笑える側に回れるように精進します。

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API for docs

こちら英語でのセッションでした。内容としてはかなり自信がないですがRDS・Steepのドキュメント周りと内部表現の話だったと思います。専門的かつ英語だったので脳が沸騰しましたが、内部で行われていることを見ることができたのでとても面白かったです。

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Road to Go gem

GolangでRubyのgemを書けるようにするgemの実装の苦労が凝縮されたセッションでした。

登壇者の方のGolangの愛の熱量がとても強く、レベルのかなり高い内容でしたが、クスッと笑える場面が何度かあり最後まで飽きませんでした。

隣の参加者の方が、cgoの地雷を全て踏み抜いている。と噛み締めるように呟いていたのが記憶に残っています。

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Analyzing Ruby Code in IRB

IRBの入力に対しての色付けやインデントなどを実現するための解析についてのセッションでした。普段便利に使用している機能の陰で、とても複雑な処理が走っていることを知ることができました。トークンや構文を組み合わせて解析したりとRubyの解析はかなり大変であることを改めて理解できました。これからは感謝しながら使わせてもらおうと思います!

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On-the-fly Suggestions of Rewriting Method Deprecations

デプリケーションのより良い解決策を模索して、1つの回答としてgemを作成した方のセッションでした。Pharoというプログラミング言語の仕組みを参考にして実装しているようで、とても便利で使ってみたくなるような内容でした。

私にはとてもよく見えたのですが、変換が効率的でない、スタンドアローンGemではない、複雑なメソッドの呼び出し方に対応していないなどの問題点も挙げていたので、広く使われるようなgem開発の難易度の高さについても学ぶことができました。

登壇者の方のより良いものを作ろうとする姿勢も見習いたいと思うセッションでした。

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Matz Keynote

Ruby創造者の松本さんのキーノートセッションになります。「programming language for AI age」という題材でAIについてのセッションとなっていました。

Alpha Syndromeという、犬を甘やかしすぎると犬が自分をAlpha(群れのボス)と錯覚する症状を取り上げ、その逆がAI利用者に起こりつつあると警鐘をならしていました。

上記をReverse alpha syndromeという名前で呼び、出来ることだけおねがいしつづけると出来ないことが偉くなる、奉仕をしなければいけなくなるという話をしていて、最近の私に当てはまり思わず背筋を正しました。

また、牽強付会という前置きをしていましたが、RubyがAI時代にうまく生き延びることができる言語だと話していたのがとても印象に残りました。

最後にRuby4.0の発表もあったので、本当にリリースされるかも含めて今後が楽しみになるセッションでした。

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床下から現れる松本さん

終わりに

3日間を通してできるだけ多くのセッションに参加させていただきました。知らないことを知るとてもいい機会で、業務とは別の脳が刺激された気がします。最後には気持ちのいい頭痛が起きました。笑

来年のRubyKaigiは北海道の函館に決まったので、また参加したいと思います!

フィナーレの様子