Xtoneのディレクターって、何をやっている人たちなんだろう。
進行管理?ワイヤーフレーム?クライアントとの折衝?それとも、ユーザーの体験設計まで?
以前、メンバーの一人がブログでディレクターの仕事の幅広さについて書いてくれました。
今回はそこからもう一歩踏み込んで、ディレクター・UXデザイナー7名が集まって、今やっていること、UXとの向き合い方、チームの空気感について、本音で話してもらいました。
参加メンバー
- 松本(創業メンバー:PKSHA社グループ担当・シニアディレクター)
- 藤川(入社11年目:シニアディレクター)
- 原(入社10年目:UIデザイナーから今年に入りディレクターへジョブチェンジ)
- 菅原(入社10年目:UIデザイナーから約5年前にジョブチェンジ)※座談会ファシリテーション
- 佐々木(入社8年目)
- 津田(入社3年目:前職ではUIデザイナー)
- 吉田(入社1年目)
今、みんな何をやってるの?
菅原: まず1人ずつ、今の自分の役割と、どんな仕事をしているかを聞いていきたいと思います。松本さんからお願いします。
松本: 僕はちょっと他のみんなと違う立ち位置にいて。XtoneがPKSHA Technologyグループに参画したのが2025年1月で、その後グループ内でのUX・デザインソリューションの提供も始まったんですが、僕はそこでいわば"親善大使"みたいな役割になっています。PKSHAグループの各プロジェクトに自分が先陣を切って入っていきつつ、他のメンバーも積極的にアサインしながら、UXチームとして価値を発揮できるように動いている感じですね。
菅原: 雰囲気が結構違いますよね、PKSHAさんって。
松本: やっぱりカラーは違いますね。PKSHAは事前にインプットを済ませておいて、集まったら決めることだけ決めるという文化で、30分刻みのミーティングが次々入ってくるのでテンポが速いんです。エクストーンの「じっくり集まって話す」文化とはギャップもあるんですが、双方いいところがあるので、組み合わせながら発散すべきところは発散して、都度判断しながら進めている感じですね。
吉田: 普段、本郷(PKSHA社のオフィス)に出社されてるんですか?
松本: リモート中心で動いているメンバーが多いですね。自分も必要に応じて出社したりリモートだったり、集中する作業と打ち合わせとを組み合わせながら動いています。メインで動いてる案件が5つくらいで、そこに提案案件も入ってくる感じです。
菅原: 次、原くんどうぞ。
原: 複数案件が同時並行で、クライアントもバラバラです。時期によってディレクションに注力する時期と、UXデザインを集中してやる時期が交互に来る感じがあります。最近は交通整理的なディレクターとしての動きが増えてきたかな。
菅原: ディレクション、UXデザイン、UIデザインと幅広くやってますよね。自分の中でどういう感覚ですか。
原: 全部必要だなって思っていて、切り離せない感じがするんですよね。UIデザイナーをやっていた時も、後半は気づいたらUXデザインや情報設計が中心になっていて、いつからディレクターになったのか記憶が曖昧なくらいで(笑)。どれかだけっていうのは、案件的にもディレクター的にも良くないんじゃないかなって思っています。
吉田: 原さんのUIUXの知見って、入社した時からすごいなと思っていました。エキスパートレビューひとつとっても、自分は主観でやってただけだったので。AIの使い方とかも色々教えてもらっていて。
原: ありがとうございます。型化できるところはどんどんAIに任せていこうっていう実験を結構やっていて。エキスパートレビューをAIにやらせてみようとか、ワイヤーの要素出しをAIと一緒にやるとか。うまくいったものはみんなにも共有できたらと思っています。そのインプットができるかどうかが、これからは肝になるかなと感じています。
菅原: じゃあ次、藤川さんどうですか今の仕事。
藤川: 大きく分けると3つですね。まず最初の取っかかり——提案やコンペへの対応、仮説を立てて途中まで提案してしまうところまで。動き始めたらPM的な立場でのディレクション。あとは運用案件の対応です。
菅原: 一緒に動くメンバーって最近誰が多いですか?
藤川: PKSHA社とのプロジェクトだと佐々木さん、Xtone単体のプロジェクトだと原さんや津田さんあたりですね。案件によって変わりますけど。
菅原: 比率で言うとどのフェーズに一番時間かけてますか?
藤川: 重たさで言うと、最初の取っかかりですかね。ワイヤーに落ち始めるところからはメンバーに渡すことが多いんですけど、方向性がブレないように最初の組み立てとリサーチは自分でやります。ワイヤー自体は……正直、元UIデザイナーの津田さんや菅原さん、原さんと比べるとスピードが全然違うので、あまり抱えすぎないようにしてます(笑)。
原: でもエンジニアさんから見ると、元UIデザイナーが書くワイヤーって「見た目は綺麗だけど仕様が書いてない」ってなりがちで、これはワイヤーを引く側の課題でもあるなと思っていて。
藤川: そうなんですよね。エンジニアにも仕様のサポートに入ってもらえると助かるっていう話もしていて。お互いのいいとこ取りができる形を探せるといいんですけど。
菅原: 佐々木さんどうですか。
佐々木: 僕は運用案件が結構多いですね。MaaS案件だったりスポーツくじだったり。運用って派手なイメージは無いけど、改善サイクルをちゃんと回せる案件は数値も出てくるのでやりがいを感じます。 あとはPKSHA社との仕事も入っていて、そこでは制作会社的な思考とは違う動き方を求められることが多くて、だいぶ刺激を受けています。
藤川: PKSHA社との仕事のいいところって、UXチームの視点が入ったことによる明確な価値を出さないといけないっていうプレッシャーがある。あとビジネス的なゴールを意識しながらUXを考えるクセがつくのも大きくて。ユーザー視点とビジネス視点を両方持ちながら考える訓練になりますね。
松本: ユーザーにとっていいことと、ビジネスとして回ることの両方を考えないといけない、っていうのがPKSHAとの仕事を通じてより明確になった気がしますね。そこを両方の視点でちゃんと持てるかどうか、っていうのが今求められてる感じがします。
菅原: その両方の視点ってPKSHA社との仕事に限らず、これからのディレクターに必要なことですよね。
菅原: 津田さんは?
津田: ディレクションする案件も増えてきたし、UXデザイナーとして動く案件もあります。見積もりや契約書まわりも入社当初より関わるようになって、幅広くやってるなという感覚があります。
菅原: その中で何が一番楽しいですか。
津田: ワイヤーフレームを引くことが一番楽しいかな(笑)。UXの重要性はわかってるんですけど、まだ「UXが楽しい!」っていう段階には行けていなくて。もやもやしながら頑張っています。
菅原: クライアントと直接話すのは慣れました?
津田: 苦手意識があります。でも社内で確認してから臨める場面もあるので、そこは助かっています。 最近、お客さんの案件で初めてユーザーインタビューをやる機会がありました。すごく緊張したんですが、こういう経験を積み重ねていくことが大切だと思っています。
原: 津田さん、あのインタビューめちゃくちゃ上手かったですよ。本人の自覚がないだけで(笑)。
菅原: 吉田さんどうぞ。
吉田: 入社してちょうど1年になりました。最初から松本さんとのプロジェクトに入らせてもらって、提案の仕方から資料の作り方まで全部叩き込んでもらいました。入社前後でアウトプットはかなり変わったと思っています。
松本: 最近は案件、一人で回せるようになってきましたよね。
吉田: そうですね。今は佐々木さんと一緒に大規模プロジェクトも動いていて。佐々木さんのUX視点でのお客さんへの突っ込みを間近で見ていると、すごく勉強になっています。UXデザイナーとしてはまだ自信がなくて、一人でPKSHA社案件に提案するとなったら不安もありますけど、いい先輩たちに囲まれてるなって感じています。
菅原: 私はtoC案件が多くて、UXを考えながら進行もやる感じです。最近気づいたのが、UXって案件の中だけじゃなくて社内のコミュニケーションにも使えるということで。SlackひとつにしてもMTGにしても、「これを見た人にどう思ってほしいか」「どう伝えたら最短で伝わるか」を考えるようになってから、仕事が楽しくなってきた感じがします。結局そこもUXなんだなって。
UXとの向き合い方——「腑に落ちた瞬間」はどこにあったか
菅原: 話を聞いてると、みんなUXと向き合うようになったきっかけみたいなものがそれぞれあるんですよね。Xtoneってもともと「ディレクター」という職種しかなかったんですけど、仕事をしていく中でUXデザイナーという役割が加わっていって。津田さんや吉田さんみたいに最初からそのポジションで入っている人もいるけど、「肩書きが変わっただけで急にUXができるようになるわけじゃない」っていうのは、みんな一緒だったと思うんですよね。
藤川: あー、それは本当にそうで。僕は転換点、明確に覚えてます。UXリサーチ専門の会社のインタビューを見学させてもらった時です。
担当者のインタビューが本当に上手くて。被験者への寄り添い方、言葉の引き出し方が見事で。「ユーザー視点に立つ」って頭では理解してたつもりだったけど、それを直に感じたのがあの瞬間でした。そこから本を読み始めて、見方が変わった。「ペルソナを作る」とひとことに言っても、その前段のインタビューのクオリティで解像度が大きく変わってくるので、マインドセットを切り替えるよい機会になりましたね。
菅原: 私はインタビューではないんですが、UXをちゃんと考えて作ったワイヤーフレームって、全然違うなと気づいた瞬間がありました。クライアントからの反応も違うし、なんとなく経験則で作ったものと、「このユーザーだったら」と考えて作ったものって、明らかに違う。そこが腑に落ちてから楽しくなってきました。
吉田: 僕は松本さんと案件で、ペルソナ、カスタマージャーニーを通じてユーザーの視点で提案するっていうのを徹底的に経験させてもらったのが大きかったです。前の職場では独学でやる必要があったんで、教えてくれる先輩がいる環境って本当にありがたいなと感じています。
佐々木: 僕はPKSHA社との仕事を通じてですね。以前に記事を書いた頃はまだ制作会社の感覚が強くて、正直UXってふわっとしていたんですよ。でもPKSHA社との仕事が増えてから、UXをちゃんと切り出して依頼してもらえるようになって、そこで価値を出すことを真剣に考えざるを得なくなった。最近になってやっとUXに頭を使い始めた感じがしています(笑)。「要件をどう実装するか」っていう制作会社的な思考から、「ビジネスとして何が必要か」っていう思考に変わってきた実感があって。コンサル出身の人と話す機会も増えて、UXってコンサルの人がやることと近いな、って感じることも多くなりました。
津田: 私はこの間、初めてユーザーインタビューをやったんですが、すごく緊張しました……でも凄く面白かったです。前職ではUXって全然していなくて、入社してからゼロからのスタートで。ワイヤーを引くのは楽しいんですけど、UXのところはまだ「楽しい!」という感覚まで行けてなくて、もやもやしていたんです。でも実際にユーザーの話を直接聞いてみると、「このためにワイヤーを引いてるんだな」って繋がった感じがして。これが積み重なっていくと、UXの面白さがわかってくるのかなって、少し思えるようになりました。
菅原: 私もまだインタビュー研修受けてなくて、早くやりたいんですよね。
松本: UXって、とにかく仮説の積み上げなんですよ。ペルソナもカスタマージャーニーも、なんでその形なのか、全部に理由がある。0の状態からリサーチして、インタビューして、ディスカッションして。仮説の種を集めて積み上げていく作業です。だから「なんでこうしたの?」と聞かれた時に、ちゃんと答えられないといけない。
藤川: 仮説の”勘”みたいなものって、経験で育ってくるんですよね。「この案件の肝はここじゃないか」っていう感覚。それがないままAIに投げると迷走する。ゴールのイメージがある程度できてからAIと話すと、わりとすんなりいく。
原: Xtoneのペルソナやカスタマージャーニーって、毎回フォーマットが違うんですよね。最初はそれが難しくて、「カスタマージャーニーが作れる」ってどのレベルになったら言えるんだろう、ってずっと思っていて。津田さんとある案件でカスタマージャーニーを作った時も、「こんなフォーマット見たことないな」って思いながら相談して(笑)。でもそれって、案件ごとに「何を伝えたいか」のために最適化しているからで。フォーマットを覚えることがゴールじゃなくて、目的に合わせて形を変えていいんだって気づいてから、そこが難しいし、面白いところだと思えるようになりました。
佐々木: AIとかでそれっぽいものはすぐ作れるけど、どこに何を入れるべきかがまだわかってない、というのが正直なところで。でもそこを考えるのが人間の仕事なんだろうなとは思っています。
菅原: 型通りに作るだけならAIでもできるけど、プロジェクトごとに最適化するところが、人間がやる価値のある部分ですよね。そこが面白くなってくると、仕事の楽しさが全然変わる気がします。
「職域のしみ出し」が、Xtoneの文化になっている
藤川: うちって、自分の担当以外のことに顔を突っ込んでいい文化があるんですよ。エンジニアもデザイナーも、職域をはみ出して動いていい。ディレクターだからここまで、デザイナーだからここまで、っていう縦割りじゃない。
菅原: 私もUXって案件の中だけじゃなくて、SlackやMTGの設計にも使えると気づいてから、仕事の全体がUXに見えてきた感じがして。「ディレクターの役割」「UXデザイナーの役割」みたいな線引きが、そもそもあいまいだからこそできる発想かもしれないですね。
吉田: 前にいた環境では、ペルソナ専門の人がいて、ワイヤー担当がいて、みたいに分業されていたので、最初はギャップでした。でも逆に言うと、全部自分のものにできる環境でもあるなと、今は思っています。
松本: エクストーンのいいところって、じっくり集まって話す文化があるところだと思っていて。PKSHAさんの効率的な進め方と、エクストーンの「ここはちょっとじっくり集まって話そう」という文化と、お互いのいいとこ取りができてきたらいいなと思ってます。
後編では、AIとの向き合い方、Xtoneが大切にしている信念、そして「どんな人と一緒に働きたいか」について、引き続き座談会の様子をお届けします。
後編へ続く