普段、皆さんはどのブラウザを使っていますか？
多くの方はChromeやSafariを利用しているかもしれませんが、Arcブラウザをご存知でしょうか？実は私も最近まではChromeやSafariを使っていましたが、チームメンバーから強く勧められてArcブラウザを試してみたところ、すっかりその魅力にはまり、今では完全にArcブラウザに乗り換えました。周囲でも利用者が増えてきています。
この記事では、20年以上使い続けてきたメインブラウザを変えるに至ったArcブラウザの魅力をご紹介します。
Arcブラウザとは？
Arcブラウザは、アメリカに拠点を置くThe Browser Companyが開発した最新のウェブブラウザです。
日常的に使用されている多くのウェブブラウザには、以下のような課題がありますが、これらの問題は25年前からほとんど解決されていません。
- 増え続けるタブの管理が難しい
- 広告に気が散ってしまう
- 探したいURLがすぐに見つからない
The Browser Companyは、これらの問題を解決し、ユーザーの負担を軽減しつつ、創造性を引き出すブラウザを目指してArcブラウザを開発しました。
Arcブラウザは2023年にリリースされたばかりですが、すでにProduct Huntの2023年年間プロダクトで2位を受賞しており、コアなファンから絶大な支持を得ています。
Arcブラウザの特徴
ここからは、Arcブラウザの具体的な機能について詳しくご紹介します。数多くの機能がある中で、今回は特に筆者が注目したい機能に絞ってお伝えします。実際にArcを使い始めて感じたのは、細部にまで行き届いた配慮により、従来のブラウザで感じていたストレスが大幅に軽減されたということです。
拡張機能・データの引き継ぎ
Google Chromeをメインブラウザとして利用している方も多いと思いますが、ArcはChromiumベースであるため、Chromeの拡張機能をそのまま利用できます。これにより、Chromeからの移行がスムーズに行えるのが魅力です。また、既存のブラウザからブックマークやパスワードを簡単に引き継げるため、設定の手間が少なく、すぐに使い始めることができます。
サイドバー（Sidebar）
Arcブラウザを使い始めて最初に目を引くのが、特徴的なサイドバーです。このサイドバーのおかげで、従来のブラウザにはない便利な体験が実現されています。代表的な機能は下記です。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| Favorites | よく訪れるウェブサイトを保存するためのエリアです。ここに追加したサイトは、ブラウザを閉じても残ります。 |
| Pinned | 特定のタブを固定しておくためのスペースで、重要なページを常にアクセス可能にします。 |
| Today | 新規タブが自動的にここに開かれ、日々の作業用のタブとして利用されます。毎日自動でアーカイブされるため、タブの整理が容易です。 |
さらに、このサイドバーには書ききれないほど多くの細かな機能やTIPSが詰まっており、使い慣れるほどにブラウジングの快適度が大幅に向上します。
スペースとプロファイル（Spaces & Profiles）
この2つの機能をうまく活用することで、異なる作業や目的に応じてブラウジング環境を分け、簡単に切り替えることができるようになります。
例えば、
- 仕事用とプライベート用のブラウジング環境を分ける
- 複数のGoogleアカウントを環境ごとに使い分ける
- 環境ごとにデフォルトの言語を変更し、検索結果やサイトの表示を最適化する
といったことが簡単に可能です。これまでのブラウザでは設定をいちいち変更する必要がありましたが、この機能を使えば、ずっとスムーズに管理できます。
スペース（Spaces）
Arcブラウザのスペース機能は、ブックマークや複数のタブをグループ化して管理できる機能です。例えば、仕事用、プライベート用、学習用といった異なる作業環境を設定することで、タブの混雑を防ぎ、必要な情報にすばやくアクセスできます。
以下は、仕事用のSpaceとプライベート用のSpaceを切り替える例です。
プロファイル（Profiles）
プロファイル機能は、目的や利用者ごとにブラウザの設定を簡単に切り替えられる機能で、各スペースに紐づけることができます。この機能をスペース機能と組み合わせて活用することで、以下のようなことが可能になります。
- 「仕事用スペース」と「プライベート用スペース」を作成し、それぞれに異なるGoogleアカウントを紐づけることで、GmailやYouTubeのデータが混ざることなく、効率的にブラウジングできます。
- 「日本語をデフォルト言語にしたスペース」と「英語をデフォルト言語にしたスペース」を作成し、それぞれの言語でWebサイトの閲覧や検索を最適化できます。
- 「プレゼンテーション用のスペース」を作っておけば、検索履歴や他のクライアントの情報が表示されるリスクを避けつつ、画面共有を使ったプレゼンテーションができます。
他のブラウザでも、別ウィンドウで作業をしたり、プライベートモードを利用することで似たようなことはできますが、Arcブラウザでは指先のスワイプ操作だけで簡単に切り替えができるため、圧倒的に効率的です。
スプリットビュー（Split View）
Arcブラウザのスプリットビュー機能を使えば、同じウィンドウ内で複数のタブを並べて表示できます。異なるウェブサイトを同時に閲覧しながらマルチタスク作業ができるので、作業効率が格段に上がります。
Ask on Page
ウェブページ上で⌘Fを押すと、通常の検索機能に加えて、AI機能である「Ask on Page」が利用できます。この「Ask on Page」を使うと、ウェブページの内容についてAIに質問したり、要約を依頼したりすることができます。これにより、長文の記事やドキュメントの内容を素早く把握できるのが特徴です。
5 Second Previews
こちらもArcブラウザの特徴的なAI機能です。リンクにカーソルを合わせてシフトキーを押すだけで、クリックせずにそのウェブページのプレビューを表示できます。リンク先に移動する前に、内容をざっと確認したいときに便利です。
広告ブロック機能（Ad Blocking）
Arcブラウザには、デフォルトで高性能な「uBlock Origin」による広告ブロック機能が搭載されており、特別な設定なしで基本的な広告がブロックされます。また、Cookieの通知やWebトラッカーも自動的にブロックされるため、プライバシー保護とページ読み込み速度の向上が期待できます。
筆者は職業上、広告をオフにしない方が都合が良いためこの機能は利用していませんが、多くの広告表示に悩んでいる方には、助かる機能になるのではないでしょうか。
スクリーンショット
Arcブラウザには、複数のスクリーンショット機能が搭載されており、用途に応じて便利に使い分けることができます。1つ目は全画面スクリーンショットで、ワンクリックで撮影が可能です。2つ目は、画面内の任意の部分だけを選んで撮影できる機能で、ArcのEasel機能と組み合わせると、さらに便利に利用できます。
※以下は部分スクショ＋Easelの例です
デバイス間連携（Arc Sync）
Arcブラウザは、macOS、Windows、iOSで利用できます。（Android版は現在開発中です）同期設定を行うことで、スペースやフォルダ、タブがすべて同期され、異なるデバイス間で作業を中断することなく、一貫したブラウジング体験が可能になります。
まとめ
以上で、ARCブラウザの主な機能をご紹介しました。実際には、ここでは紹介しきれないほど多くの機能が備わっており、詳しく知りたい方は、ぜひ一度試してみることをお勧めします。特に、以下に当てはまる方は、試してみる価値があると思います。
- 現在のブラウザに不満を感じている方
- 本記事で紹介した機能に魅力を感じた方
- ブラウザを自分好みにカスタマイズしたい方
ARCブラウザは、カスタマイズすればするほど、使いやすさがどんどん向上します。設定を自分好みに調整したい方には特におすすめです。興味を持たれた方は、ぜひ一度試して、その快適さを実感してみてください。
