Slackで上手にビジネスコミュニケーションを取りたい

Slackでビジネスコミュニケーション

Slackをビジネスシーンで使うことが増えて来た最近では、上手に活用してストレスなくコミュニケーションすることの重要性が増していると感じます。

Slackはそこまで複雑な仕組みではないですが、使う人によって様々な特徴があり、

  • コミュニケーションがスムーズだと感じるやり取りの方法
  • メッセージが読みやすい人の書き方のコツ
  • やや癖のあるコミュニケーションだと感じてしまう瞬間

など、真似してみたいものもあれば、逆に反面教師にしたいようなことも時としてあります。

今回の記事では、実際に筆者の周りのやり取りなどを例に取り、どうすればSlackで、より円滑でストレスのないコミュニケーションが実現できるかを考えてみたいと思います。

特定の相手に必ず読んで欲しい場合のmentionルール

予定の調整依頼や資料のレビュー依頼など、特定の相手からの返事を期待するメッセージを送る場合、相手をmentionするかどうか。筆者が受信者の立場でこれまで経験したパターンとしては以下のパターンがありました。

  1. 必ず、すべてのメッセージで相手をmentionする
  2. 最初のメッセージにmentionをつけるが、話がスレッドに発展してからはmentionは割愛する
  3. mentionはつけない

メッセージを送る側の声を聞いてみると、

  • はじめはつけることが多いが、短いスパンでメッセージのキャッチボールが成り立っている時はmentionは割愛する
  • 会話の途中で打ち合わせなどが入り、時間が空いてしまってからやり取りを再開するときは改めてmentionをつける

などの声もありました。

メッセージを受ける側の声としては、

  • 読んで欲しいメッセージの場合は必ずmentionをつけて欲しい(忙しい方や受信するメッセージが多い方に多い意見)
  • 基本的にmentionの有無に関わらず、すべてのメッセージに目を通すので特につけなくても問題ない

という意見もあります。

筆者は、「2.最初のメッセージにmentionをつけるが、話がスレッドに発展してからはmentionは割愛する」ことが多いです。

スレッド展開後にmentionしない理由は、以下の通知設定をONにしている利用者が多いため、意図的にこの設定を切っているユーザー以外は、スレッド展開後のやり取りは自動的に通知されると考えているためです。

文末の装飾をどうするか?

例えば「よろしくお願いします」というワンフレーズ。皆さんは文末をどうしますか?

よく目にするのは以下の4パターンです。

文末の表現は、送信者の癖によるところが多い気がします。 「!」や「🙇」を文末につける方は、何もつけなかったり句読をつけるのが冷たい印象を与えがちだと考え、より柔らかい表現にするためにつける方が多いようです。

以下はSlackではなくLINEのやり取りを例にとった記事ですが、文末の表現については、年代によって受ける印象が異なることもあるようです。

newsdig.tbs.co.jp

以下はSlackが各国のユーザーに対して行った調査に関する記事ですが、興味深いことに、絵文字の少ないメッセージを『物足りない』と感じる傾向の国が多いようです。

slack.com

適切に絵文字を活用することは、テキストだけでは伝わりにくい細かいニュアンスを相手に伝える上で有効な手段なのかもしれません。

Ccの書き方

メインの送信先の他に目を通しておいて欲しいメンバーがいる際に、以下のような書き方をすることがある方も多いと思います。

@yamada
---------------------
メッセージ本文
---------------------
Cc: @sato @suzuki

特に電子メールの文化に長らく浸っていた世代にとっては、「Cc」はおなじみの記号です。

下記のように、メインの送信先とサブの送信先を並べて記載する方もいますが、意図的にメイン(主にメッセージを見て欲しい・レスが欲しい相手)とサブ(とりあえず目を通しておいて欲しい相手)を分ける場合では、先の例のように明示的に「Cc」を使うなどして分けておく方が、受け手にとって分かりやすいのではないかと思います。

@yamada @sato @suzuki
---------------------
メッセージ本文
---------------------

リンクの整形

参考サイトやドライブ上のファイルの場所など、URLをSlackで伝える機会は多くあります。
このURLの共有方法も、実は様々なパターンがあります。

①URLを直貼り

特に加工を加えずに直接URLを記載するパターン。 以下のように、サイトのメタ情報がプレビューされます。

1URLだけの共有であれば特に問題ないかもしれませんが、一気に複数のURLを共有する際などは、以下の例のようにすべてのサイトのメタ情報が表示されてしまうため、スレッドの縦幅をかなり占有してしまいます。

多くのメンバーが所属しているチャンネルなどでは特に、メインスレッドの汚染に対してセンシティブになりがちです。そうした場合、メタ情報を手動で削除し、以下のようにスッキリとさせることができます。
※メタ情報の削除が自分だけでなくチャンネル内の全員にも適用されることは、実は知らないユーザーも多かったりします

②コードブロック内にリンクを記載するパターン

以下のように、コードブロック内にリンクを記載する方法も良く目にします。

コードブロック内にリンクを記載することで、以下のような効果があります。

  • メタ情報が表示されずに済む
  • 本文とは異なるフォーマットなので、メッセージとして見やすくなる

③アイコン+テキストで分かりやすく

以下のように、ファイルタイプのアイコンとテキストリンクを駆使して分かりやすく表現をする方法もあります。他の方法と比べて若干手間はかかりますが、とても見やすく直感的に把握できる方法です。

チャットツールは基本的にはテキストのやり取りが主体ですが、こうした工夫によって見やすさを上げることで、コミュニケーションが快適になることも多そうです。

やり取りをスレッド内に格納し、メインスレッドを汚さない気配り

Slackで議論が白熱することは活気があって良いことですが、反面、やり取りの量が増えることで過去のメッセージが流れてしまい、検索性や一覧性を損ねてしまうこともしばしば。

そうした事態への予防策として、やり取りが増えそうな場合はスレッド内に格納するテクニックを使う方も多いと思います。

例えば、メインスレッドには以下の1行だけを記載します。

その1行メッセージのスレッドの中でやり取りを行うことで、メインスレッドはスマートなまま維持がされ、やり取りに関係のない方に対しても気兼ねなく、メッセージを投下できます。

Slackの公式にも同じ内容のTipsがありました。

slack.com

この方法は筆者も多用しますが、1点だけ難点があります。 それは、スレッドの中では、「@channel」「@here」が利用できないことです。

スレッドの途中で、チャンネル内の全員に意見を聞きたいケースが時に訪れた際に、@channelを使いたいですが、仕様的に利用できないため、代わりに以下の方法を取ります。

  • 仕方なく、全員を個別にmentionする
  • 新規のメッセージをメインスレッドに投下し、このやり取りを引用する

この機能が仕様制限なのか製品コンセプト的な理由なのかは存じ上げないのですが、あったらよいなと時々感じます。

絵文字リアクションはアリ?ナシ?

メッセージに対して絵文字でリアクションできるのは、Slackの便利な機能のうちの一つです。

上記のように、一時返答をする際などにもとても有効です。 他には、下記のように、簡単なアンケートを取ったりもしやすいです。

絵文字リアクションの利用については、起業やチームによって、かなり文化が違うように思います。多用するチームはがんがん使いますし、逆に全く使わないチームもいたりします。

是か非かではなく、そのチームの慣れた方法が一番だとすると、チャンネルによって使い分けるのが良いのかもしれません。

テキストフォーマットで見やすく

Slackのメッセージはテキストフォーマットを活用することで驚くほど見やすくなることがあります。以下はSlackオフィシャルがテキストフォーマットの活用を紹介している例です。

https://slack.zendesk.com/hc/article_attachments/4414468900627/message-formatting.en-US_2x.gif

slack.com

テキストフォーマットを活用するかしないかは、人によってかなり差がありますが、読み手の立場に立ってメッセージを記載すれば、より伝わりやすくなり、結果的に良好なコミュニケーションにつながるのではないでしょうか。

通知はどうしてる?

業務時間内のSlack通知設定は、作業集中時など以外は基本的にオンにされる方が多いのではないかと思いますが、業務用PC以外のデバイスの設定や、平日・休日の場合の設定はどうでしょうか?

■デバイス/日による通知マトリクス

デバイス 平日 休日
業務用PC 通知ON/OFF 通知ON/OFF
スマートフォン 通知ON/OFF 通知ON/OFF
Apple Watch 通知ON/OFF 通知ON/OFF

筆者の周りでは、業務用PC、スマートフォンは平日、休日ともにONにしているが、Apple WatchについてはON派とOFF派が分かれる結果となりました。

筆者は、一時期はApple Watchも常時ONにしていましたが、多忙期などにあまりにApple Watchが鳴り響いて集中を妨害されてしまったのと、バッテリー節約の観点から、今では通知はOFFにするようになりました。

プロフィールアイコンは設定する?

Slackコネクトなどで他社のSlackに入ることも多いのですが、アイコンの設定については明確なルールがない会社・チームも多いように思います。

よく目にするのは以下の3種類かと思います。

  1. 自身の顔のアイコン(写真、イラスト)
  2. それ以外のアイコン(ペット、キャラクター、etc)
  3. アイコン設定なし

リモートワークが定着して以降、それ以前の世の中では考えられませんでしたが、相手と一切会わずにプロジェクトがスタートし、ともすれば一度も物理的には会わないままプロジェクトが完結するようなケースも増えて来ました。

WEB会議でのカメラON/OFFの是非の話は別でありますが、Slackのアイコンの設定については筆者に限っては正直あまり気になったことがありません。もちろん、ビジュアルが設定されていた方が瞬時に誰のメッセージなのかを判別しやすくはありますが、どちらかというとテキストの表示名称(@ichiro_suzukiや@taro_yamada)の方を見て判断することが多いからだと思います。

ステータス表示

休暇を取得する際に、以下のように表示名に記載を加える方もいるかと思います。

こうすることで、変にレスが遅いなどの心配を与える必要がなく、相手を安心させることができるかもしれません。

休暇の他にも、

  • suzuki@19時まで外出
  • suzuki@外出後は直帰予定

など、自分の物理的な状況を共有することは、リモートワークで相手の状況が見えにくくなった現代においては特に、気の利いた配慮のような気がします。

表示名の命名規則

Slackのプロフィールの表示名はどのように設定されていますか?

  • 漢字で「山田太郎」
  • カタカナで「ヤマダタロウ」
  • アルファベットで「Taro Yamada」

など、明確なルールがある企業もあればそうでない企業もあるかと思います。

筆者がいつも気になるのは、mentionをする際に、「@」→「ya」などとタイプした際に、アルファベットで表示名を設定している場合はサジェスト表示され、スムーズにmentionができますが、アルファベット表示を設定していない場合はサジェストがされないので、入力モードを切り替えて名前を打たなければならないことです。そのため、アルファベット表記を含める方が望ましいと考えています。

また、「共有チャンネル」が提供されて以降、複数の組織のメンバーがチャンネル内に入り乱れることも増えました。そうした際に、相手の所属が分からないケースなども出てきます。

様々なケースを想定すると、以下の例ぐらい詳細に記載をしてあると、誰にとっても分かりやすい表示名と言えそうです。(mention名が長くなることでメッセージの文量が増えてしまう副作用もありますが)

Taro Yamada / 山田太郎(株式会社◯◯ △△事業部)

必要な要素を上手に組み合わせて命名規則を作っておくと、余計なストレスが減るかもしれません。

ブックマーク、PIN機能

Slackチャンネルは、所属するメンバーが高い頻度でアクセスする共有の場です。チャンネルの用途や目的にもよりますが、自分がアクティブなチャンネルには毎日のように訪れます。

Slackのブックマーク機能・PIN機能は、チャンネルに所属するメンバーが共有するソーシャルブックマークの用途で使うと、意外に便利です。

例えば、プロジェクトのチャンネルであれば、

  • 定例WEB会議
  • 共有ドライブ
  • 全体スケジュール
  • プロジェクト管理ツール
  • 開発環境 / 検証環境 / 本番環境

といった具合に、チームが共通で利用する資料やツールへのリンクを置いておくと、便利に感じることが増えました。ブックマーク機能が提供される以前は、それらを記載したメッセージをPINすることが多かったように思います。

このブックマーク機能がはじめて提供された際は、その用途があまりイメージできませんでしたが、気がつけば多用していた方も少なくないのではないでしょうか。Slackチャンネルはグループメンバーの共有の場所であり、アクセス頻度も高いため、ブックマーク共有の場所として最適なのかもしれません。

まとめ

Slackなしでは業務が円滑に進まない現場も多いかと思います。

今やSlackは単なるチャットツールの域を超え、リマインダー、ビデオ通話、投票、予定管理、プロジェクト管理、各種外部ツールと接続して業務の効率化など、多様な用途でビジネスをドライブする装置となっています。

新機能の追加やインターフェースの更新も頻繁に行われ、それらが直接的に日常業務に影響を及ぼすようにもなりました。

利用する企業やチームごとにそれぞれの使い方や文化、ルールがあって当然で、あるいは堅苦しいルールは設定せずに自由に使った方が良い、という考え方もあるかもしれません。

Slackのコミュニケーションに限った話ではありませんが、会話する相手の目線になり、どのような使い方であればストレスが少なく円滑なコミュニケーションになるかを考えることは重要で、結果的に気持ちの良いやり取りは、良い仕事につながるのではないでしょうか。