
Figma Slidesがリリースされたと知り、早速普段作成している企画書を元に試してみました。これまではPowerPointで企画書を作成してきましたが、Figmaのスライド機能がどのように活用できるのか、特にデザインツールの利点がどれだけ反映されるのかに期待を持って試しに使ってみました。
Figma Slidesとは
Figma Slidesは、Figmaが提供するスライド作成機能です。デザインツールとしての強みを活かし、直感的にレイアウトを調整できる点が魅力です。特に、共同編集やリアルタイムのフィードバック機能を備えており、チームでの資料作成がスムーズに進められます。
Figma Slidesの使い心地は?
1. デザインの一貫性が保たれる
テキストスタイルやカラー設定が一括で適用できる点が便利です。企画書では、セクションごとに異なるデザインを使うことが多いですが、Figma Slidesでは、設定したスタイルがスライド全体に一貫して反映されます。PowerPointでもマスタースライドで似たことができますが、Figma Slidesではより直感的に変更でき、細かい調整も簡単に行えるため、柔軟に対応できるのが特徴です。これにより、スライド作成のプロセスが効率化されました。

2. オートレイアウトで効率アップ
Figmaを普段から使っている人にとって、オートレイアウト機能はお馴染みの便利機能です。スライド作成でもこの機能を活用できることで、要素の位置調整や順序変更を直感的に行える点は大きな利点です。企画書を作成している際にも、要素を追加したり、レイアウトを微調整する際に無駄な手間がかからず、効率よく作業を進められます。
3. Figmaデザインファイルとのショートカットの共通性
普段Figmaでデザイン作業をしている人にとっては、スライドでも同じショートカットを使える点は大きなメリットです。新たに操作を覚える必要がなく、日常の作業の延長でプレゼン資料を作成できるのは、非常に効率的です。
4. 縦横入れ替えが可能なテーブル機能
Figma Slidesでは、PowerPointの「表」よりも柔軟なテーブル機能が使えます。テーブル内のデータを縦横に入れ替えることが簡単にでき、資料内の表現を動的に変更する際に非常に便利です。

5. デザイン要素のコピー&ペーストが容易
Figma Slidesでは、Figmaで作成したデザイン要素をそのままコピー&ペーストでスライドに貼り付けることができ、トリミングも簡単です。「フレームでコンテンツを隠す」機能を使えば、細かい調整もスムーズに行えます。PowerPointと比べてデザイン作業の流れが自然にプレゼン資料作成に組み込まれるのが魅力です。

6. 共同編集・コメント機能が活用できる
企画書作成の際に、Figmaの強みである共同編集やコメント機能が活かせるのも大きなポイントです。チームで企画書を作成する際、リアルタイムでフィードバックを反映できるため、プロセスが非常にスムーズになりそうです。

ユニークな機能
Figma Slidesには、いくつか目を引くユニークな機能が搭載されています。その中でも特に注目すべき機能を紹介します。
1. ライブインタラクション機能
Figma Slidesには、プレゼン中にリアルタイムでインタラクションができるライブインタラクション機能があります。これを使えば、「投票」「スタンプ」「意見の一致度」といったツールを通じて、参加者との双方向コミュニケーションが可能です。また、Figmaのプロトタイプ機能を活用することで、作成したデザインに動きを加えて、そのままスライド上で確認でき、動的でインタラクティブなプレゼンが実現します。

2. トーン調整機能
もう一つのユニークな機能がトーン調整機能です。この機能では、文章のトーンをプロフェッショナル、シンプル、カジュアル、拡張の4つの軸で選択し、自動的に表現を変えることができます。プレゼンのスタイルに合わせて文章のトーンを変えることで、資料の印象を調整でき、効果的なプレゼン作成が可能になります。

デメリットも少し
Figma Slidesは非常に便利なツールですが、いくつかの課題も感じました。まず、ページテンプレートが作れないため、スライドのデザインを統一する際に、PowerPointのようなマスタースライド機能がなく、手動で調整する必要があります。 次に、ページネーションが自動で挿入されないことも不便です。スライドが増えると手動でページ番号をつける手間がかかります。また、コンポーネントが連動しない点も気になります。デザインファイル側でコンポーネントを修正しても、スライドには自動的に反映されないため、変更があると再度貼り直す必要があります。 さらに、図形やテキストの自動吸着機能が弱いため、要素の整列や配置に手動での調整が必要になる場面があります。加えて、Excelデータを貼り付けると画像化されるため、スライド上でのデータ編集ができないのもデメリットです。
今後のFigma Slidesに期待すること
Figma Slidesはまだベータ版ですが、その可能性は非常に大きいと感じています。特に、Figmaが持つデザインの柔軟性とスライド作成の効率性を組み合わせれば、PowerPointにはない魅力的な資料作成が可能になります。ライブインタラクション機能など、プレゼン中のリアルタイムのやり取りも加われば、プレゼンのあり方自体が変わるかもしれません。 また、今後のアップデートで、さらなる機能の充実によって、より多くのユーザーにとって使いやすいツールになることが期待されます。
まとめ
Figma Slidesは、まだベータ版とはいえ、プレゼン作成のスタイルを大きく変える可能性を感じさせてくれました。今後、さらなる機能強化によって、より多くのユーザーにとって使いやすいツールになることが期待されます。正式リリース後の進化を楽しみにしつつ、今後も積極的に活用していこうと思います。